独立行政法人国立美術館
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寺崎広業
TERASAKI, Kogyo
(1866ー1919)
秋田市の生まれ。字は徳卿、別に秀斎、宗山、天籟山人、その居を騰龍軒と号す。はじめ狩野派の小室秀俊に、上京して平福穂庵(すいあん)、南画家の菅原白龍に学んだ。『絵画叢誌』の下絵や臨模、『風俗画報』の挿絵を描きながら内国勧業博覧会等に出品した。日本青年絵画協会、日本絵画協会の結成に参加、1897年には東京美術学校助教授となった。翌年の美術学校騒動に際し辞職、日本美術院の創立に加わるが、1901年に教授として復職、また天籟画塾を開いた。文展には1回から審査委員をつとめ、《大仏開眼》を出品。その後、《溪四題》《瀟湘八景》《高山清秋》《千紫万紅》などの、四条派や南画的な要素を加えた折衷的な画風に独自性を示した。17年、帝室技芸員となった。
 
出典:
近代日本画の名作 : 東京国立近代美術館所蔵
1991年
p.20