岡﨑乾二郎:背後から火事が迫ってきたとでもいうの、この顔の青さは普通じゃないわ、どうしたの?ぽつりと答えます。「惜しいと思うほどの物は捉まえようと追いかけず、一生惜しんで思い出せるようにしておいたほうがいいんだよ」。そうか。胡瓜の漬け方を、老婦人から習ったときみたいに、熟した実がひとりでに落ちる音を聞いた。 (2002)
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